工具類を中心とした産業見本市「台湾国際ツール&ハードウェアEXPO(TiTE2023)」が10月4日から6日にかけて台湾・台中市の台中国際展覧館で開催された。第二報となる本号では主な出展社の展示内容を紹介する(※第一報は本紙10月16日付号に掲載)。
漢如國際貿易(HAMRO)は、ドリルねじや軽天ビス、ドライバービットなど建築用ねじを中心とした各種製品を展示。担当者は取材に応えて「ご要望に応じた納期対応を行うなどお客様の要望にはできるだけお応えしたい」旨話し、自社の対応力をPRした。
黄朝泰企業(HCT)は、機械加工による特殊形状のねじ類やパーツ製品を紹介した。同社ではステンレス、快削鋼をはじめ非鉄材として銅、樹脂類など様々な材質に対応しており、最小発注数量を設定していないのが大きな強みとなっている。担当者によると同社では日本向けの実績も多く、日本の顧客向けに日本語対応のパンフレットを新たに作成したという。
慧德刀具五金(HD.MIT)は、アルミ合金向けエンドミルや防振性能を高めたエンドミルなど各種切削工具を紹介。ブース担当者は取材に応えて「品質が良く、コストパフォーマンスに優れているのが当社の強みだ」旨話し自社の製品をPRした。
啓祐五金(KEYO)は、炭素鋼、合金鋼、銅、アルミなど多様な材質による少量多品種の特殊形状品を展示。同社では冷間圧造で様々なオーダーメイド製品を製造しており、対応サイズはφ1・2~18㍉㍍(L=3~226㍉㍍)で担当者によれば日本への輸出実績もあるという。
北回化学(MXBON)は、ファスナー向け製品として緩み止め用接着剤を紹介。用途に応じて低強度タイプや高強度タイプ、低粘度タイプなど豊富なラインアップで需要に応えている。なお同社では他にも配管用シーラントやフランジ用シーラントなど構造物を固定、密封する各種化学製品の製造・販売を行っている。
鈺晟精密工具(organizer)は、インパクトレンチのソケットホルダーやレンチの収納用具など各種ハンドツールの整理整頓、収納に役立つ製品を紹介。同社は収納用具の専門メーカーであり、中でも磁石を利用した壁に取り付けられるタイプの製品を数多く製造している。
世鎧精密(SHEH KAI)は、建築向けファスナーとしてバイメタルによるドリルねじやタッピンねじ、その他コンクリートスクリューやアンカーを紹介した。
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今年設立40周年を迎える重威企業(Jonnesway)は、台湾のハンドツール、エアツール、自動車整備工具の有力メーカーとして知られている。同社の工具は世界108カ国での販売実績があり、自動車以外にも航空分野において技能五輪(WorldSkills)で使用工具として指定された実績を持つなど優れた品質でユーザーのニーズに応えている。
ブースでは将来の事業展開を示す展示として蓄電システム「エナジーウォール」と絶縁工具を紹介。自動車の電動化が進む中、新たなモビリティに対しても長年のノウハウを活かして顧客に新たな価値を提案する同社の姿勢を来場者に向けてPRした。
同社の廖永源董事長は取材に応えて「台湾ブランドの価値を高め、より高度な品質が要求される分野へと展開していきたい。その際これまでより生産量が落ちる可能性があるが、ハイエンド製品と一般品の両立が生き残る道なのでは」と自らの見解を述べた上で「今後は例えば電動バスの整備といったこれまでに無かった需要も生まれてくるだろう。南米など新たなチャンスが生まれる地域はあるためこうした需要を捉えていきたい」旨話し、今後の展開に期待を示した。