8月8日に日向灘(宮崎県近海)でマグニチュード7・1の地震が発生した事を受け、気象庁は「南海トラフ地震臨時情報」における「巨大地震注意報」を発表したが、発生することなく15日に解除された。科学の進歩やデータの蓄積もあるが、地震の発生確率の高まりが分かるようになった。ただし「注意報」は「近いうちに必ず発生する」というわけでなく、「可能性が高まっている」というだけであり、逆を言えば常に発生確率がある事を忘れてはならない。また直前の数秒前にテレビや携帯電話に「緊急地震速報」が表示され、気構えができるようなったのも素晴らしい事だ。地震対策は日々進歩している。
そして解除された直後の16日に、今度は台風7号の影響で早い段階から多くの交通機関が運休・欠航を決め、小社も東京本社はリモートワークを決定した。今年のお盆休み・夏の行楽シーズンは天災の発生を予想して事前にしっかり対策がされ、実際に被害は無かったり・甚大でなかったものの、観光業等にとっては影響が大きかった夏と云える。
思い出すのはおよそ半年前の能登半島地震、暦自体が自然の周期を元としながらも人間の都合を加味した物と云えばそれまでだが元日に発生しており、自然は人間の都合などお構いなしだと実感する。
元々日本列島は地震・風水害の多い地域なのは当然で、古来より記録として残されてはいる。最近でも2011年の東日本大震災。さらにそれ以外にも2020年(日本国内)からの新型コロナウイルス感染症が拡大し、現状は感染症法上で2類から5類になって警戒レベルが下げられているが、これは社会・経済としての対応でしかなく、ウイルスが根絶されたわけでも、特効薬が開発されたわけでもない。一時期は宿主との共生の面で弱毒化していくとも云われていたが、その気配も一向にない。
企業や社会は様々な災害を経て強くなれたのだろうか?
BCP(事業継続計画)が注目されて何年も経つが、明日もし事業に必要な物やエネルギーが手に入らなくなったら、輸送・交通手段が途絶えたら?従業員が出社できる状況でなくなったら?心配事を上げていけばキリがない。いきなり全てに対し完璧な対策は無理だとしても、起こり得そうな順に一つ一つ上げていって対策を講じていく。これしかない。
地震だけでも前述の南海トラフを含め東海・東南海や東北地方の太平洋沖だけでなく日本列島と周辺各地には震源となりうる箇所は多々ある。災害は起こるか?起こらないか?の問題ではない。起こるのは確実、ただし、いつ・どこで・何が・どれぐらいの規模かが分からないと考えるべきだ。