5月に新型コロナウイルス感染症が感染症法上での位置づけが2類から5類になって早半年。根絶や特効薬により脅威が完全に去ったわけではないが、法・制度変更の影響は大きく社会活動としてはコロナ前の状況に向かいつつある。この間に、様々な会合・イベントといった人が集まる行為が規制・自粛・規模縮小となっていたが段階的に戻り、今年は本格的な感がある。
そして秋は地方自治体及び関連団体による展示会が多いシーズン、時評子も取材で巡っていたが、その様子は様々だった。
「諏訪圏工業メッセ(10月19~21日、長野県岡谷市)」は前回(昨年)までは対策の為に来場を事前登録制としていたのが今回は入口に消毒液の設置のみとし、来場者の自主的な体調判断に任せる事としたが、その点もあるのか来場者数は前回より約5000名増加している。
「燕三条ものづくりメッセ(10月26~27日、新潟県三条市)」では、主催者に問い合わせると出展希望者が多く早く出展枠が埋まったとの事で、今までは市外・他県からの出展社も多かったのが、会場内に設けられた「東京都ブース」以外の通常ブースにおいて県外企業が少なかった感があった。今までコロナ対策で来場者数が期待できなかった、もしくは社員の安全の為出展できなかった地元企業が一気に出展を申し込み始めたと推測できる。
また「にいがたBIZ EXPO」はこれを機に今回から名称を「日々是新―ヒビコレアラタ―(11月8~9日、新潟県新潟市)」に、さらに会場も新潟駅南側の新潟市産業振興センターから駅北側でアクセスのよい市街地寄りの万代島多目的広場に変更して、学生・若者・一般来場者向けの面が強くなり、メインステージを設けてトークセッションや講演会を行っている。それに伴ってか出展企業も製造業よりもITやサービス関連が多い印象となった。
地方で変化がある一方で全国区の「日本ものづくりワールド(機械要素技術展)」にも動きがある。今まで[東京][大阪][名古屋]で開催してきたが、11月29日からマリンメッセ福岡(福岡県)で初の[九州]を開催する。半導体産業が活況な影響か、地元企業に限らず東京をはじめ大都市圏から、そして中には北陸等地方からも出展があり、これは「地方から大都市圏へ」「大都市圏から地方へ」アピールではなく「地方から地方」へアピールする事が顕著になるのかもしれない。
コロナ禍を経て展示会は活況を戻りつつある、しかし感染症対策ではなく遠方から気軽に参加しやすいとい理由でのオンライン開催との併催。また主催者のコンセプトや出展社のアピールの仕方といった点は全く同じ形には戻らないだろう。