ロボットの活用目立った「MF-TOKYO2019」

2020年1月12日

 2年に1度開催される「MF-TOKYO2019(第6回プレス・板金・フォーミング展)」は無事盛況裡に閉幕した。主催者によれば今回は小間数が過去最大の1717小間となり、会期4日間で3万113名が訪れたとのことだ。展示内容としては、特に本紙に関連するねじ関連設備(圧造機、検査機ほか)に関してはサーボモーターを採用した最新鋭のフォーマーやフォーマーによる生産に特化した生産管理システムの紹介、また同じく新製品として最大毎分400回転を誇る高速転造機の紹介もあった。この他にも従来冷間圧造に用いるフォーマーを中心としていた機械メーカーによる初の熱間フォーマー、その他検査装置メーカーによる新機能の披露などねじ製造設備の最前線が一堂に会する場となった。ある関係者からは同展に合わせて新製品を準備している、という話も出てきたが「2年に1度」という開催周期は出展社からしても新製品・新技術を披露しやすいのかもしれない。
 今回も併催事業として企業や大学等の関係者による講演会及びセミナーが数多く行われたほか、(一社)日本ねじ工業協会による「この世はねじでできている」をテーマとした展示があった(4面に関連記事)。会場全体を見渡すと次世代技術の一つであるロボットを活用した展示、特に「ロボットを活用した搬送の自動化・省力化」をテーマとした展示が多くあった一方で、それと比べると同じく次世代の技術として期待されているAIやIoTなどIT技術を活用した展示はそこまで多くはなかったように思う。あるいはどの専門展にも言えることかもしれないが、鍛圧機械をテーマとした国内有数の専門展として知られている同展は、展示内容を通じてねじをはじめ各業界の最前線を示している。2021年の開催時には次世代技術を活用した展示がより増えてくるのだろうか。次回以降にも期待したい。
 さて、展示会から一転して経済情勢に目を向けてみると先行きが不透明であるばかりか不安材料が増加したといって間違いないだろう。米中による貿易摩擦はアメリカが中国を為替操作国に指定したことで対立が激化しており、また国交正常化以降「最悪」とも評される日韓関係は両国の主張が平行線を辿り改善の見通しが立たない状況にある。業界では早くも半導体関連の案件に影響が出ているという声が聞こえ始めている。また財務省が公表している貿易統計によれば日本は韓国から特にリベット類を多く輸入しているとのことだが、今後はねじ類にも影響が出てくるのだろうか。今後の動向を注視していきたい。

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