昭和93年、熱中症の夏

2018年8月6日

 先月中旬の出張時、或るレトロ博物館のショーウィンドーを眺めていると、朝日ソノラマの「アニマル1」というスポ根アニメの表紙に「ぶっ倒れるまで練習しろ!」と書かれていて、考え方が〝昭和レトロ〟だった。
 出発前から、そして帰ってきても全国的に連日の猛暑…。各地で熱中症により救急搬送や死亡する事例が相次ぎ、学校教育の現場も同様だったが、真っ当に考え・対応すれば防げる事例ばかりだった。
 昔は運動中に水を飲む事すら禁じていたようだが、今でも一部では水筒持ち込みやスポーツドリンクが禁止され、酷暑の中での過度な運動、エアコンを使用しない環境がまかり通っているそうだ。精神力絶対・万能の根性論は無理だと、第二次世界大戦の敗戦で学べたはずだが、未だに昭和で止まっている…。
 愛知県豊田市では暑い中で校外学習を強行して、歩かせた児童が死亡→バターン死の行進?インパール作戦?
 宮城県名取市では市制60周年を記念しての空撮写真用として、人文字を作る際に熱中症→かつての日本の全体主義を引き継いだ、北朝鮮お得意のマスゲーム?
 埼玉県所沢市の市長は「子供は汗もかくもの、昔はエアコンなど無かった、使用すると温暖化が進むので、緑化を推進」と導入を見送り→既に全国各地で最高気温の記録が更新され当時と状況が違う、〝無い物ねだり〟ならぬ〝(自分の子供時代に)無かった事押しつけ〟であり、緑化による温暖化解消が一市町村の取り組みで 何時までに可能かも分からずに、子供に負担を強いているが、役所内・執務室や自宅ではエアコンを使用していないのか?
 また学校以外でも、各地の行政が打ち水で対策→弊社近隣の芝公園でも見かけたが、どう見ても焼け石(アスファルト)に水、空襲の火災にバケツリレーで対応するようで、風情はあるだろうがせめて柄杓でなくホースにしてほしい。また近年この時期は利根川水系の渇水が危惧されているのに、そもそも可能なのか、電気も資源だが、水だって資源だ。
 しまいには都知事は「首に濡れたタオルを巻けば気化熱で冷却」→あくまでもエアコンを使用する事を前提とした、追加としての対策ですよね?まさかそれだけで?
 一人っ子政策で甘やかされた中国の子供〝小皇帝〟も考えものだろうが、根性論の押し付けの結果を誰が責任を取るのか?大人や上に立つ者は個人的に〝自己責任〟で楽しんで頂きたい。
 「昭和は遠くなり」と云われる一方で、今では大問題な考え方・習慣は平成30年になっても蔓延り、断ち切れておらず、もはや昭和93年となっている。〝資源に乏しい日本は、人が資源であり国力の要〟と云われ、さらに少子高齢化だと云うのに、子供が何人倒れ・死亡しても碌な対策がなされず、根性論・人命軽視の風潮は変わらない。

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