堅調な景気上昇 今年も継続の予測

2018年1月1日

 新年が始まった。先の日銀短観における良好な結果は、明るい見通しとなっており、今年も景気の上昇傾向が継続するものと期待している。各企業においても、ぜひ今年も需要着実に物にし利益に繋げていこう。
 業況DIは四半期(~3月)の予測において、大企業から中小企業までプラスの結果となった。これは数値だけでなく市場の声を聞いていても、徐々に中小企業でも景気の回復が実感されるようになってきており幸先良いことだ。生産設備・土地双方を含む投資額も良好であるように、大企業から中小企業まで、需要増に備えた生産力の強化を図る体制作りが堅調であり、投資が景気を下支えしている。
 また、投資が促進される要因は生産力の増強に加えて、生産性の向上策という面も顕著な傾向である。景気の足枷となる懸念材料として、人手不足の問題と働き方改革に伴う営業時間の減少が挙げられるが、そうしたなか、我が国の労働生産性が時間当たり・一人当たりともに過去最高を達成したように、困難に直面した際の個々の企業努力、持てる底力というものには感服する。少ない人手で仕事を進めるため、高速機械など生産設備の増設や、自動搬送など省力機器、高効率なソフトウェアなどへの投資が功を奏するのだ。いかにして小ロット、短納期、高品質を実現するか、各企業が日々努力しているからこそ、市場への製品の安定した供給と売上げの確保がなされる。マイナスの条件をプラスに転じさせるためのこうした力は、今年も注がれるであろうし、ますます日本経済の活性化に繋がり、巡り巡って各企業のもとに投資額以上の利益が帰ってくることであろう。
 景気を減速させかねない問題として自動車メーカーの不正問題もあったが、一般消費者の行動は現在も旺盛で落ちることなく日本経済をけん引し続けている。消費者が支持してくれるのは景気にとって幸いなことではないか。しかしながら、不正は何度もあってはならない。自動車メーカーは消費者に感謝をし、襟を正すことだ。
 車の製造においてねじはこれからも多く使われる重要な要素である。環境対策に疎い中国が電気自動車に舵を切ったのは驚きだが、日本政府では30年度予算案において、環境対策の推進こそ掲げども、ねじを多用するハイブリッド車またはガソリン車の範囲内でのCO2削減が柱である。産業構造を破壊するよりもその能力を活かすことの恩恵を重視した政府の賢明な政策だと言えよう。
 旺盛な企業投資、消費者の支持、政府の政策と、3つ揃って足場は固い。今年も各企業が需要を取りこぼすことなく物にして発展していくことを願っている。

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