好調市場の大手4社、伸び続く 最高売上や上方修正も

2022年3月14日

 好調市場である半導体製造装置、物流機器、自転車、空調の大手4社の業績にスポットを当てた。各社ともに業績の上方修正や過去最高売上を記録するなど好調が持続している。
 半導体製造装置の東京エレクトロン㈱(東京都)は、2022年3月期の売上高を1兆9500億円と予想した。会計基準変更のために前年度の増減値は示さなかったが単純に前年度実績と比較すると39%増の水準となる。2022年の半導体製造装置市場は、パソコン向けの中核部品を担うロジック/ファウンドリが、積極的な投資が継続して市場を牽引、前年比20%強の増加を見ている。DRAMも5Gモバイルの普及やデータセンター需要の増加などで同15%程度の増加を予測。同社の第4四半期は四半期売上としては過去最高となる見込みで通期業績予想も上方修正している。
 物流機器の㈱ダイフク(大阪府/東京都)は、22年3月期の売上高予想を同6・6%増の5050億円と上方修正した。直近の第3四半期は連結累計期間としては過去最高を記録。ダイフク単体は、一般製造業・流通業向け、半導体・液晶生産ライン向け、自動車生産ライン向けシステムのいずれも受注が大きく伸びた。通期では北米法人のDHAHCが、空港向け機器が前年実績に及ばなかったものの一般製造業・流通業向けが好調を維持。半導体製造ライン向けと自動車生産ライン向けが好調となった。
 自転車・釣具・アウトドア製品の㈱シマノ(大阪府)の21年12月期の売上高は同44・6%増の5465億1500万円、営業利益は同79・3%増の1482億8700万円だった。サプライチェーンの混乱やロックダウンにより、グループの一部工場で一時的な操業停止も生じたが、自転車・釣りへの高い需要が継続。国内外の工場で生産体制の増強を進めた。自転車部品は世界的なサイクリングブームで中高級クラスが高い水準を維持したが、北米・アジアなど下期に落ち着きを見せる市場も出てきた。
 空調機器のダイキン工業㈱(大阪府)は、2月に今期3度目の上方修正を行い22年3月期の売上高計画を同22%増の3兆500億円とした。新型コロナウイルス感染症の収束時期が不透明で第4四半期の事業環境は厳しいとしながらも重点テーマとする戦略的売価施策、拡販・シェアアップ、コストダウン等でマイナス影響を吸収するとした。電子部品の逼迫や物流網の混乱も続くが、グローバルで販売・生産・調達・SCM・物流が密に連携し製品供給の確保を図る。