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新時代を迎えて課題と可能性

5月1日の新天皇即位及び新元号「令和」への改元。4月から5月にかけての今年の連休は、10日間の超大型となった事もあり日本各地で祝賀ムード、そして行楽・観光シーズンとなった。

今回の連休は新時代を迎えるとともに、「事業継承」「定年制・勤務形態」「法・制度」「消費動向」から、日本の課題と可能性について改めて考えさせられる事も多々あった。

従来の「一世一元の制」でなく、特例法だが譲位とする事でかつての昭和天皇崩御の際における自粛ムードとは違う形で事業継承≠ェ執り行われ、組織・集団の長の進退について、そして「一億総活躍」「定年延長」が提唱されている昨今において、長だけでなく誰もがいつまで勤務できるか?勤務するべきなのだろうか?

即位時に陛下からは「憲法にのっとり、日本国及び日本国民統合の象徴としての責務を果たす」とお言葉があり、3日には憲法記念日だったが、立憲君主制の日本において昭和22年当時から技術、個人の生活様式・価値観、社会制度・情勢が変化している事を踏まえ、9条に限らず現在の憲法が即しているか?その精神が実社会において体現できているか?―を鑑みる機会が必要なはずだ。そして国際化の進んだ経済活動において、コストダウンを求めての海外進出そして撤退の事例を考えれば、各国の民族性・商習慣だけでなく、明文化されている法・制度の把握も重要だ。

また即位を祝した菓子や酒類、記念切符等をはじめ関連商品が販売され、少なからず経済効果が発生している。そして昨今の「御朱印」ブームもあるが、年月日を記している為新元号記念として神社仏閣への参拝も増えており、交通・宿泊・飲食による行楽での消費の拡大。ネットや通販の普及によりいつでもどこでも物が簡単に手に入る社会となったが、それ故に「期間・地域限定」の物に対してありがたみ≠ェ感じられる、消費動向が認識させられた。

一方で繁忙期となる観光関連の産業や社会インフラの業務は別として、平日を営業日とする産業は日数が減っても仕事量が変わらなければ連休前後に立て込む。またパート・アルバイト等で時間給の非正規雇用勤務形態の場合、給与が減少する問題が顕在化する。本当に消費拡大・景気拡大を目指すなら賃金増加が必須で、固定的・流動的どちらの雇用形態が中心の社会となっても、先が見通せて生活に余裕が持てる収入が重要だ。

「ケの日=日常」が活気づいてこそ「ハレの日」は賑わう。一時的に祝賀ムードだが今年は参院選や消費税増税があり、ねじ・ばね等の工業(製造業)や、それらを販売する商業に限らず、経済全体における安定と成長の両立は日本の課題だ。

2019/05/13 金属産業新聞