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どこまでが公共インフラか?

24時間営業が一般的となったコンビニ。しかし経営している店舗オーナーが昨今の人件費高騰により、継続は難しいとしてこの営業形態を本部(フランチャイズ元)の許可なく取りやめ「契約違反」として争議となり、本部から「コンビニは社会インフラ、世の中が24時時間営業を期待している」と意見して物議を醸している。国営(公営)、民営(民間)、そして半官半民…。どこまでが公共的なインフラなのだろうか?

大きな流れとして、新たに興った産業は国・公共機関が運営・主導し、その分野が発展し需要(ニーズ)が細分化・高度化され必要に応じて民営化、一社・少数企業の独占状態から複数企業の自由競争へと変わっていくものだ。

例としては、交通・輸送で鉄道は国鉄=公社から地域毎のJR等、そして私鉄各線含めほぼ民営となったが、やはりインフラなのだろう。各駅内において自社だけでなく乗り替えする乗客の事も考慮し、他社の遅延・運休についてのディスプレイ表示やアナウンスが行われているのはその表れだ。船舶では最近、五島産業汽船(長崎県)が採算悪化により破産し休止・廃線となって、観光客はもとより、住民の日常生活に支障をきたす事となった。航空では民間→半官半民→民間のJALと民間のANA、そしてLCC各社だが、LCCは採算(需要=まとまった集客)が見込めない航路は進出せず、規模によって方針が違う。

ライフラインでは、水道は昨年事業を民営化しやすくなる「改正水道法」が決定したが、採算重視に走り価格上昇・品質低下が危惧されている。ガスは民営化が進み、電力は地域ごとの各電力会社は民間だが、東日本大震災や昨年の北海道の地震でも、インフラとしての供給義務がある事を改めて示された。

通信(連絡手段)では電話が電電公社から民営化され、携帯電話が普及した後はNTT・ドコモ系列以外も参入したが、各社へ政府から料金の是正(値下げ)勧告がされ、見直しの時期が来ている。郵便も民営化され、郵便局内はいつの間にかギフト商品のサンプル・案内が多くなった気がする。

物流(宅配便)では例として、クロネコヤマトの「宅急便」は当初より民間だったが、メジャーとなってもはやインフラと云っても過言ではない状態だ。しかしコンビニ同様に昨今の人件費高騰で、一時的に引っ越しサービスの新規申し込みを取りやめている。

無くなって=物・サービスの供給が絶たれて≠スちまち困る事業…。滞れば自社の業績(売上)への影響以上に、社会へ大きな影響がある「公共」「インフラ」を名乗るからには、時に採算度外視で経営する覚悟を持つべきなのかもしれない。

2019/03/18 金属産業新聞