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梱包、搬送工程で省力化の動き

人材不足への対応のため省力化設備の導入が活発だ。人員も最も要する梱包や搬送、倉庫管理などを自動化するための設備投資も大手ファスナーメーカーを中心に進められている。

建設機械関連のファスナーメーカーでは好調な業績を受けて、梱包作業の自動化をはじめ倉庫業務の省人化を図る。同社は、従業員候補となる地元の若者が東京や大阪に学生として行った後、卒業後も地元に戻ってこない傾向が強まっていると話す。市況が好調で設備投資を潤沢に行える好機に、人件費の最もかかる倉庫機能の自動化を図る狙いだ。関係者によると「“人がいない”という前提で考えないと今後は厳しい」と指摘する。

自動車部品関連のファスナーメーカーでも、段ボール梱包設備の自動化を図った。これまで、段ボール梱包を人に手に頼っていたが、すでに導入していた検査・計数設備と、新たに導入した段ボール梱包設備を連結させて、検査・計数から梱包までの自動ラインを確立した。自動化により省人化を図れるという。

建築用ファスナーメーカーも、数年前に工場敷地の近接地を購入して、在庫管理システムを導入した新倉庫を開設。システムとの連携により製品位置を簡単に把握してフォークリフトでパレット単位の積み下ろしが可能という。今後は余裕のある敷地内に段ボール・小箱の製箱工場や、袋詰め・箱詰めを行う自動梱包工場など専用棟の建設も視野に入れている。

搬送設備の導入では、金型メーカーが、複数の工場棟にワークなど資材を搬送するための自動搬送モバイルロボットを導入。定期巡回により20〜30分かけ5棟を回るが、随時呼び出し用とともに、特注仕様の多品種少ロット加工が多いため、工程ごとの手待ち時間ロスを無くし、次工程へスムーズに引き継ぐ役割を担っているという。

省力化は梱包や搬送のほか、AIやクラウドの進化によって検査工程でも可能性が広がる。生産ライン上へのネットワークカメラ搭載により、計数カウントや生産進捗状況、不良品の発生状況をリアルタイムに把握して効率化を図るといった手法も高度化するはずだ。

一方こうした省力化の設備投資増にともない、メカトロニクスパーツ(FA設備の構成部品)の需要が旺盛だ。調査会社によるとメカトロニクスパーツは2021年に2兆6009億円、17年比で19・9%増に拡大すると予測されている。特にボールねじやリニアガイドなどの伝動系要素部品は、自動化を支える鍵となる部品となっており、需給がひっ迫している。設備投資には納入遅れなども考慮した判断が必要となる。

2018/11/12 金属産業新聞