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盗難防止ねじ、管理・サービスの工夫も

大阪府警や愛知県警が、自動車のナンバープレートに盗難防止ねじを無料で取り付けるキャンペーンを実施している。

大阪府と愛知県は、ナンバープレートの盗難被害件数は全国でトップクラスだ。盗んだナンバープレートを偽装して犯罪に悪用されるのだという。このキャンペーンでは、イベント会場や自動車整備工場、自動車やオートバイの販売店で、無料で盗難防止ねじを取り付けてくれる。使用されている盗難防止ねじは、工具を差し込むリセスが埋まってしまう特殊な頭形状のもので、取り付けるだけで手軽に効果的な防犯対策を施せる。

キャンペーン効果なのか、一部地域では被害件数が大幅に減少したと報じられている。こうしたキャンペーンはその他の地域でも広がる可能性があり、盗難防止ねじの注目度はますます上がるだろう。

ナンバープレートだけではない。専用の工具でなければ外せない盗難防止ねじはセキュリティ市場で多方面で活躍の場が広がりそうだ。金属価格の高騰を背景にして、屋外にある金属製品の盗難被害は年々増加している。側溝の蓋、公園や駐車場の車止め、電線、墓石の線香皿、空調機器など屋外にさらされている金属製品は様々だ。公園の遊具もそのひとつだが、最近では特殊リセスねじを使用しているものが多いので、公園を散歩する機会があれば是非、遊具に使用されているファスナーを調べてみてほしい。

また都市インフラの再開発が進む中で、屋外に設置される設備はより高度化してくる。センサーや防犯カメラの設置、またこうした機器をネットワークでつなげる大規模なインフラシステムが近い将来構築されてくる。犯罪によって一部の設備に何かしらの細工を施され、全てのインフラに影響をおよぼされてしまうリスクを防ぐ必要がある。

さらに2020年の東京五輪が迫る中で、テロ対策を目的にインフラ設備に盗難防止ねじが採用されるケースもあるようだ。信号などのインフラ設備の中を開けて爆弾を仕掛けるといった凶悪犯罪のリスクを想定した対策だという。

盗難防止ねじは、商社を中心にしてオリジナル商品が多く開発されている。これまではユーザーが一部特定の用途に使用するといった使われ方が多かったように思われるが、前述したように警察主導によるもの、またインフラ設備に組み込まれるものなど、一定量が見込まれる需要に対応した製品となると、取り外し工具の管理をはじめ機能以外のサービス、また販売方法によりセキュリティ上の工夫が求められてくる。

2018/03/07 金属産業新聞