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スポーツも製造業も関心づくりから

ボブスレー競技において日本代表選手団が、国産(日本製)で無く外国製を使用している現状に対し、城南地域(東京都品川区や大田区)の製造業企業が連携して製作した「下町ボブスレー」。前回のソチオリンピックでは日本選手団の採用は見送りとなり、今回の平昌オリンピックでは紆余曲折を経て日本では無くジャマイカ選手団が使用する事となったが、開催直前に急遽ラトビア製ボブスレーを使用する事となった。

多くのスポーツにおいてユニフォームを含む道具(用品)はアスリートを支える上で重要であり、今回の件が純粋に性能の問題ならば、技術の改良、使い勝手(乗りこなし易さ)の問題ならばアプローチという事業活動における営業・広報活動が必要となるだろう。

「下町ボブスレー」以外でも、ねじ・ばね業界だけでなく、製造業全体が世間一般に関心を持ってもらい地位向上となる事を目指して、今まで様々な取り組みが行われてきた。

「コマ大戦」では「直径20ミリまで」等のレギュレーションの下、各社・団体が素材・形状等を工夫でき、普段の業務においては設計図通りに作る事が多い現場技術者にとって、自分達が好きなように作れる数少ない機会となり、日本国内に留まらずアジア・アメリカからの出場者を合わせた「世界大会」を開催した事もある。

また、ねじ・ばね企業各社はグッズを製造・販売し、或る企業はオリジナルキャラクター、さらにはメジャーなキャラクターとコラボして企画したり、デザイナーと協力して実用性・デザイン共に優れた機能美≠持ったグッズまで製作している。

テレビでの取り扱われ方においても、NHKで放送されていた番組「プロジェクトX」がきっかけとなるのだろうが、それまではニュースの延長線上の扱われ方はあっても、ドラマチックかつ積極的に描かれる事は少なかったはずだ。

さらに「梅ちゃん先生」や「半沢直樹」等…昔と違いドラマでも登場人物達の仕事が製造業であり、またそれが重要な要素・テーマとして取り扱われる機会も増えているように思える。

スポーツも製造業も、裾野≠フ広がりが無ければ山≠ヘ高くそびえる事は出来ない。少しでも関心を持ってもらい、初心者・アマチュア・ライトなファン層が形成される事で、協力・支援・取引関係のネットワークを広げていかなければ、優れた製品の加工技術、さらに将来有望な人材も確保できない。

今回のボブスレーの件は残念だったが、分かる人に分かってもらうだけで十分≠ニ考えず、何もしなければジリ貧≠ニして世間に関心を持ってもらうきっかけづくりは絶え間なく、そして常に目新しくアピールしていかなければならない。

2018/02/21 金属産業新聞