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高い経歴もつ高齢者も、自治体の人材バンク

人材の確保が課題となっている中で、多様な人材を活用していく動きも見られるようになってきた。

女性とともに注目されているのが高齢者だ。自治体の中には、高齢者のセカンドキャリアを支援するための人材バンクを整備しているところもある。定年を迎えてもまだまだ働きたい、高い給料をもらわなくても、長年培った経験や技術を使って残りの人生を社会貢献に捧げたいという考えを持つ人もいる。

こうした高齢者で新たな職場を求めている人の中には、大手メーカーの第一線で活躍して、海外取引のノウハウや部品調達といった豊富な経験をもつ人も多い。

海外展開を図りたいが、どのように進めればよいのかわからないといった企業もある中で、こうした人材が大きな力となる可能性がある。大手企業の仕組みや考え方を自社のに取り入れることができる機会としたい。

あるファスナー企業では、銀行の紹介により自治体の高齢者人材バンクがあることを知った。そこで出会ったのが、大手メーカーの海外子会社の社長経験のある人だった。

定年後もこの会社で働くことができたが、日本に帰国して働きたいとの理由で人材バンクに登録していたという。大手メーカーの幹部クラス出身の人間だ。それに見合う給料を払えないと正直に伝えたというが「自分の経験を活かして、力があるのに伸び悩む中小企業に貢献したい」と言う。海外製品の調達や販売など新たな展開を図ろうとしていた同社。面接から数日後「この企業で働きたい」との本人の意思を人材バンクを介して知った。両者がマッチングした瞬間だった。

宮崎県は高齢者と人材を求める企業とのマッチッングを支援する仕組みとして「みやざきシニア人材バンク」を今年2月1日に設置した。運営するインターネットサービスでは、仕事を探している60歳以上の高齢者や、人材を探している企業が登録をすることで、人材、仕事の双方を検索することができる。利用登録は無料だ。

このサービスでは業種や資格、職種や働き方などを詳細に検索することが可能となっている。実際に同サービスで人材を調べてみると、製造業での経営や貿易の経験を持っていたり、生産・品質管理などの技術職の経験をもつ人材などが検索できた。

人材バンクでは、製造業以外の様々な分野での経験をもつ人にも多く出会える機会があり、こうした人材を採用することで自社の新たな仕組みづくりや活性化につなげていくチャンスも生まれるだろう。人材の確保が難しくなっている一方で、多様な人材に出会える環境も整備されてきた。活用していきたい。

2017/12/12 金属産業新聞