ねじ(ボルト|ナット)・ばね(スプリング)の業界新聞。
金属産業新聞社

文字サイズの変更
ウェブ サイト内

時評

時評 > ねじ

信用保険法の改定−中小企業の支援に期待

政府は、今年度国会で成立した「中小企業信用保険法等の一部を改正する法律」について10月20日、施行期日を平成30年4月1日とすることを閣議決定した。改正法は、新たなセーフティネットと小規模事業者等への支援を拡充し、また、信用保証協会と金融期間の連携による中小企業の経営支援を強化する。適切かつ円滑な運用により日本経済の基盤強化となることを期待する。

もとより信用補完制度は中小企業の資金繰りを支える上で重要な制度ではあるが、これまで、中小企業がいざ大規模な経済危機や災害等に面するなど、信用が収縮した際の資金需要について対応策が求められてきた。信用保険改正法により、迅速に発動できるセーフティナットとして新たな危機関連保証が創設されることを歓迎したい。従来の保証限度額とは別枠にて最大2・8億円の保証を実施するとともに、小規模事業者向けにはこれらの持続的発展を支えるため、特別小保険の付保限度額が拡充される。

また、信用保険法の中で創業・事業承継に関わる一部改正では、創業チャレンジを促すべく、創業関連保証の付保限度額を拡充することから、良きアイデアを有しておきながらも創業へ一歩踏み込めなかった優秀な人材にとっても創業の手助けとなるだろう。創業を交えた産業の流動化は、経済全体の活性化にも繋がる。事業承継についても、現在、経営者層の世代交代ラッシュの時期にある我が国の中小企業にとって関心の大きい課題であるため、改正法の中で認定を受けた中小企業の代表者個人が承継時に必要とする株式取得資金等を信用保険の対象としたことで、より力強くかつスムーズな承継を助けるものとして活用したい。

ただし他方で、金融機関が過度に信用保証制度に依存することとなると、事業性評価融資やその後の経営改善支援への動機が損なわれかねない惧れ、言わば副作用が危惧される。そのため、信用保険法改正と併せて実施される信用保証協会法の一部改正は、この副作用への対策として位置付けられる。具体的には、信用機関と金融機関の密接な協力のもと、信用保証の付かないプロパー融資について拡大を目指すという方針だ。この場合、中小企業に対する金融機関の積極的な支援姿勢に直結することから、信用保証協会がプロパー融資の状況や経営支援の方針を確認しながら保証を実施することで、支援の空回りを防ぎ、中小企業の活性化に効果を持たせることが狙いだ。

以上の法改正により、中小企業がより安全にかつ積極的に経営に邁進できる環境整備が一歩進む。なお、信用制度に関連し要望の多い無担保融資の拡大については議論が待たれるところである。

2017/11/06 金属産業新聞