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JIS六角ボルト・ナット切替問題、商工で同じ方向へ

(一社)日本ねじ工業協会(ねじ協)と日本ねじ商業協同組合連合会(ねじ商連)の商工が集まる、ねじ商工連盟(以下、連盟)の通常総会(本紙既報)では、課題となっているJIS六角ボルト・ナット(JISB1180、JISB1181)の本体規格品切り替え問題(以下、切替問題)について多くの時間を割いて議論された。

新会長に就任した筒井三男会長が業界について「時代の変化とともに多様化するニーズへの対応」や「商工は車の両輪で良きパートナー」と述べた通り、産業のグローバル化が進む中で、新しい時代の国際的なニーズにあった製品を供給していく必要もあるし、この問題について商工や企業の規模を問わず、業界全体が十分理解して同じ方向を進むことができなければならない。難しい課題ではあるが、連盟の確かな舵取りに期待したい。

本体規格品と附属書品の両仕様をこのまま維持させていくのか、どちらかに集約させるのか、またはそれ以外の選択を示すのかは、供給や在庫などコスト面に関わる問題だ。また直接、製造していない、取り扱っていない企業や国内需要に特化している企業にとっては直接この問題が関係ないように思えるが、国際貿易に関わるこの選択を誤れば、これまで製造立国としてアドバンテージのあった日本が、国際的に孤立して経済力を失ってしまうリスクを潜んでいることを忘れてはならないだろう。あらゆるモノに使用されている六角ボルト・ナットだからこそ、その仕様ひとつで国の経済問題に関わる事案に今、我々は直面していると考えたい。

連盟では2020年までに本体規格品の生産・供給体制を整えることを業界として宣言している。これまでもユーザー業界への説明や本体規格品を供給できるメーカーをねじ協ホームページで公開するなど取り組みを地道に進めてきた。しかし本体規格品の使用に関するユーザーの要望や問い合わせが無いといったユーザー業界への浸透不足を指摘する声や、供給できるメーカーがまだまだ少なく、コスト面でも折り合わないなどの意見が上がるなど、ユーザーとメーカーの間に立つ商側の苦しい立場が改めて明るみになった。

公共工事の案件や一部の自動車メーカーの関連企業で本体規格品の採用が始まっているという。改正JISには附属書品について「新しい設計では使わないことが望ましい」と明記されていることからも、附属書品の今後の継続の有無に関わらず、本体規格品を普及させる使命を変えてはいけないと思える。2020年というそう長くない時限までに、業界がどのような方向を導き出し実行できるか注目していきたい。

2017/08/21 金属産業新聞