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中国の輸入ねじ・ばね、特恵関税の除外対象に

財務省関税局は、中国の輸入ねじ・ばねに対して特恵関税の対象から除外する(本紙既報)。同品目の輸入はこれまで特恵関税により無税が適用されていたが、来年4月より通常の関税が適用される見込みだ。

特恵関税とは、先進国が開発途上国の経済成長の促進を支援することを目的に、開発途上国からの輸入品目に対して一般の税率より低い、または無税といった関税率を適用する制度だ。こうした特恵関税の対象となっている国は143の国・地域で、鉱工業品については3151品目がその適用を受けている。

中国はこれまで「高中所得国」として特恵関税の対象に含まれていたが、今回の見直しで「高中所得国」で世界の総輸出額に占める当該国の輸出額の割合が1%以上である国が除外措置の対象に含まれた。これにより中国は、輸入額10億円超・輸入シェア25%超の品目が1年間、特恵関税の対象から除外される「部分卒業」の処置を来年4月より受ける。その後も中国は「高所得国」に3年連続で該当することになり、除外期間に期限を定めない「全面卒業」の対象となり、平成31年4月以降は全ての品目で通常の関税が適用される。

「高中所得国」はこのほかメキシコ、タイ、マレーシア、ブラジルが該当しており、今後これらの国から輸入される、ねじ・ばね類も輸入額やシェアが「部分卒業」の要件に当てはまれば、特恵関税対象から外れることになる。

今回の見直しは、特恵関税が適用される輸入額のうち実に9割以上で「高中所得国」が占めており、特恵関税のメリットがこれらの国に偏在していた背景がある。今やアメリカに次ぐ世界第2位の経済大国である中国が、特恵関税の受益から外れることは当然の処置と言えるだろう。先進国が経済支援を目的に貿易面で途上国を優遇するという特恵関税の役割を十二分に果たしたというより、むしろ処置が遅かったと言わざるを得ない。

今回の見直しにともない、中国から輸入される鉄鋼製ねじ類(HSコード7318)と鉄鋼製ばね類(HSコード7320)の品目が、特恵関税の除外対象に含まれる。中国からのねじ類は、鉄鋼製ボルトだけでも単月で約10億円の輸入額にのぼっている。

順当に進めば、中国からの輸入ねじは今後、基本税率3・4%より低いWTO協定税率2・8%が適用されるが、国は今年8月末頃までに業界団体からの関税改正の要望等を聞いて、年末に審議入り、年明けに法案の国会提出を目指すとしている。順当に現行の関税が適用されるのか、それとも税率を含めた関税改正となるのか今後注目されてくるポイントだ。

2017/07/01 金属産業新聞