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イベントの経済効果と利害関係

2月26日に東京マラソンが開催される。毎年開催され11回目となる今回はコースを変更し、スタートの都庁前(西新宿)から西神田までは同じだが、品川→浅草→銀座→有明でゴールから、日本橋→浅草→蔵前→両国→門前仲町→両国→蔵前→日本橋→銀座→品川→東京駅前でゴールとなった。

その際スタート地点近辺の新宿では約1時間30分、ゴール地点の東京駅前(御幸通り)では約14時間、交通規制により自動車は迂回となるだけでなく、歩行者は道路を横断できず鉄道の駅構内の移動や歩道橋を利用しての遠回りとなる。

開催による経済効果≠ェうたわれてはいるが、コース近辺の住民にとっては不便で、さらに商業地区も多い為に消費が滞りマイナスの経済効果≠燻Z出するべきはないか―と時評子は考える。

この先さらに問題となるのは平成32年の東京オリンピックだ。ねじ・ばね業界にとって重要な機械要素技術展(日本ものづくりワールド)をはじめ、各種展示会の会場となる東京ビッグサイトはメディアセンターとなる為、前年4月から利用制約による展示会の規模縮小や開催見送りが始まる予定となっている。

この問題に対して1月26日には(一社)日本展示会協会等が都内で会見を開き、政府や五輪組織委員会、東京都・千葉県・神奈川県知事ら関係者へ「展示会を例年通りに開催する為にメディアセンターを他の場所に建設」「ビッグサイトと同規模の仮設展示場を建設して例年通りの規模で各種展示会を開催」等の要望を記した公式声明文を提出した事が説明された。

出展する業界関係者からは「オリンピックは一時的だが、例年開催の展示会を開催しなくなると求心力が失われ、同じ分野の海外の展示会に持っていかれてしまう」「業界にとって売り上げに大きく貢献している展示会が開催できなくなるのは死活問題」「規模を縮小した分以上に、出展希望者・来場者は減少する恐れがある」、さらに展示会支蛾業からなる日本ディスプレイ協同組合や電設協議会からは「会場の設営・解体に関わる職人らの仕事が無くなる」と意見が挙がった。

試算によると平成32年の7カ月間だけで、例年出展している企業5万社の内3万8000社が出展機会を失い、1兆2000億円の売り上げ減となり、さらに展示会支蛾業1000社も仕事量は4分の1となり、1300億円の売り上げ減となる―との事だ。

イベントで人が集まり消費が促される―しかし日常の消費や他のイベントが影響を受けてのマイナスの経済効果≠ェあっては意味が無い、その為には何らかの考慮・対策が成されなければならない。

2017/02/20 金属産業新聞