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次回の五地域交流大会は日本に、ロボット大国の威信示せ

日本、中国、台湾、香港、韓国のファスナー業界団体が一堂に集まる五地域ねじ協会交流大会が10月に開催された。

今回、日本側は代表者会議で、毎年大規模に開催される大会に出席する各国の負担も考慮して、隔年開催や規模を縮小してテーマを絞った少人数の交流にするなど大会の意義をより明確にするよう見直し案を提議したが、具体的な決定には至らなかった。次回が日本開催に決定しため、それまでに各国の意見を集約して、本件に関する決着を図りたい構えだ。日本はホスト国として主導的な役割を担ってほしい。

大会では各地域のファスナー業界の景況が報告された。内容を見てみると、2015年度の韓国のねじ生産量は、102万dで売上は36億jとなり前年比2・7%の減少だった。自国の自動車メーカーのノックダウン生産量の減少が影響した。中国のねじ生産量は、730万dで同1・4%の増加、売上高は710億元で前年とほぼ同水準を保った。輸出売上は3・38%の減少、輸入(鋼製品)も6・92%減少した。石炭・セメント・ガラス・鋼鉄などの需給バランスの崩れ、また景気の不振や労働力コストの上昇など企業環境の厳しさが影響した。

台湾の輸出数量は157万dで同1・38%の減少、金額は40億7000万米jで同4・28%の減少。ピークだった2014年に比べて減少したが、上期はアメリカの自動車・建築業界が安定成長した恩恵もあり、他産業と比べて好調に推移したが、下期になって世界的な投資緊縮の影響を受けてマイナスとなった。香港の輸出量は1万8573dで同23%減少、金額は4億3900万米jで同4%と同じく減少となった。各地域とも総じて、世界経済の保守的な動きによる緊縮政策のリスクに懸念を示しており、今後の自国のファスナー輸出に影響があるものと見ている。

各地域の講演で最も話題になったのは、インダストリー4・0やメイド・イン・チャイナ2025に代表されるような製造業に関する戦略構想をはじめ、IoT(モノのインターネット)やスマートファクトリーといった次世代技術をキーワードに、これらをファスナー業界がいかに対応していくかの課題だ。業界として実際にどのような事例があるのかといった具体的なものが示された印象はなかったが、各地域ともこれら技術に大きな関心があることは伺えた。日本は中でもこれからの新市場と言えるロボット産業を中心に自国の戦略構想を示した講演を行ったが、ロボット大国のプライドをかけて、ファスナーの需要先としての期待だけでなく、業界で如何に取り入れて活用していくのかといった指針を示してほしい。

2016/11/16 金属産業新聞