ねじ(ボルト|ナット)・ばね(スプリング)の業界新聞。
金属産業新聞社

文字サイズの変更
ウェブ サイト内

時評

時評 > ねじ

「ねじ屋さん」と一般消費者の接点

現在、神奈川県立川崎図書館では来年1月11日まで「産業の塩生活を支えるねじ=vと題して、展示コーナーを設けている。取材した時評子が把握している限りでは、ねじ業界・団体による主催やブース枠を借りた形以外で、公的な団体に取り扱って頂いたのは、ここ最近は無かったのではないか?

確かに平成26年には東京お台場の日本科学未来館で「THE世界一展〜極める日本!モノづくり〜」が開催され、ねじ・ばね・工具類も数点が展示されていたが、食品・衣料品等から金属加工品まで幅広い意味での工業(製造業)であり、「産業の塩生活を支えるねじ=vより大規模ではあったが、積極的にねじだけ≠ノテーマに絞っての展示企画は、業界としては貴重な機会だ。

川崎図書館の企画担当者は取材時に、「川崎市の土地柄、平日には工業系の企業に勤めている設計・開発担当と見受けられる人が来館して資料を探している事が多い。また工業高校をはじめ将来は製造業で勤務する学生や地元市民が訪れる事も多く、今回の展示は来館者に、『あらゆる工業で必要となるねじに関心を持ってもらう』事を目的としている」旨で話していた。

ねじ業界は基本的に一般消費者と接する事の少ない「BtoB」の世界、東京ビッグサイトで開催されるような展示会では、仕事目的の来場者が多く、一般人が製品や技術を目の当たりにする機会は地元自治体主催の展示会ぐらいしかない。

ねじ業界の地位向上の為には、世間一般から関心を持ってもらう事は重要だ。「半沢直樹」「七つの会議」等のドラマはきっかけ≠ニしては良いかもしれないが、劇中で描かれたステレオタイプなイメージが先行してしまうおそれがあり、同展でねじが設計・素材・加工・表面処理等の様々な工夫が凝らされた、優れた機械部品として真面目に勉強する場となる事を願う。

逆に工業に関わりの無い一般人の方から、ねじについて調べている場合はどうなるだろうか?夏休みの小学生の自由研究等では、(一社)日本ねじ工業協会や本紙編集部へ問い合わせがあるが、最近ではネット上で近隣のねじ企業(特に商社)は簡単に調べられる。

「調べる」以外にもホームセンターよりも近所にあったから%凾フ理由での「購入」目的も含め、見知っているユーザー(業者)以外が訪問して来たら?あちら側にとっては訪れた先の「ねじ屋さん」は、ねじ業界関係者の代表≠ニいえるかもしれない。

「ねじ業界の地位向上」、関心を持って訪れてきたり、質問の電話をしてきた人への、説明・応対できる体制づくりが、ひょっとしたら身近な第一歩かもしれない。

2016/10/03 金属産業新聞