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中小企業等経営強化法が施行、固定資産税軽減や金融支援も

バングラデシュの首都ダッカで起きた日本人7人を含む20人死亡というショッキングなテロ事件(7月1日)や、結果的に自民・公明の与党“躍進”となった第24回参議院議員選挙(7月10日投票)期間中とあって、大きく報じられることはなかったが7月1日、日銀による6月の企業短期経済観測調査(短観)が発表された。

それによると企業の景況感を示す業況判断指数は、大企業・製造業では前3月調査から横ばいだったが、大企業・非製造業や中小企業では2四半期連続で悪化した。英国の欧州連合(EU)離脱の選択や新興国経済の減速、円高・株安の継続、熊本地震に伴う経済活動停止などが景況感に影響した形だ。前記・参院選の折、与党は“道半ば”としたアベノミクスだが、国内中小企業の約7割が実質的な赤字に陥っているとする見方も一部にある。

こうしたなか政府はひと月前、中小企業や小規模事業者の生産性向上に向けた支援策として「中小企業等経営強化法」を施行(7月1日)、スタートさせた。一定規模以下の中小企業が要件を満たせば、固定資産税の軽減や金融支援などが受けられるもので、少子高齢化による労働人口の減少やグローバル化が進む状況下で、経営力の向上を図ることが期待されている。

同法の“目玉”とも言うべき「固定資産税特例」の認定を受けると、労働生産性が既存設備より年間1%以上向上する160万円以上の機械・装置を、2018年度末までに導入すると、当該機械・装置の固定資産税(償却資産税)が3年間にわたり半分となる(資本金1億円以下の中小企業や個人事業主が対象)。

労働生産性とは、営業利益、人件費、減価償却費を足したものを、労働者ひとり当たりの就業時間で割ったもの。計画期間を3〜5年とし、労働生産性の目標伸び率(3年=1%以上、4年=1.5%以上、5年=2%以上)達成に該当する機械・装置、各種製造設備なのだが当然、業種により異なるため、福祉施設では介護入浴補助装置なども対象となる。

また金融支援特例では、認定を受ければ低金利融資、民間金融機関からの融資への信用保証、債務保証などにより、資金調達の自由度が一層広がる仕組み。

既に全国各地で説明会が開かれている。手続きは通常、申請書の受理から認定まで最大ひと月を要するとされるだけに、制度利用を考えるのであれば早めの対応が望まれる。

中小企業・小規模事業者にとっては、高度IT活用や独自製品(商品)開発、人材確保、事業継承やBCP(事業継続計画)等々、様々な課題が突きつけられている。現下の厳しい状況を乗り切る一助となれば…。

2016/08/01 金属産業新聞