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5Gで産業はどうなるの?

映画を数秒でダウンロードできると言われる5G。(1)超高速、(2)超大量接続、(3)超低遅延―といった特長が産業に与える影響が予測されている。ほぼリアルタイムでのデータのやりとりを可能にする5Gが、自動運転や産業用ロボットの制御を可能にするというのだ。ドイツのインダストリー4・0や、経産省が提唱するコネクテッドインダストリーズを実現するためのカギとなる技術と言えそうだ。

まずは進化の過程を振り返ろう。1Gは1980年代から始まったアナログ方式の音声通信(バブル期にあった肩掛けタイプの携帯電話がイメージしやすい)。2Gは90年代から始まり、デジタル方式の音声通信やメールが使えるようになった。3Gは00年代から用いられたデータ通信で、携帯で静止画を送り合えるようになった。4Gは大容量データ通信で、動画もストレスなく視聴できるようになった。で、いよいよ5Gである。

日常では4Kや8Kといった超高画質動画を当たり前に扱えるようになり、産業では農業のICTや、遠隔医療の実現が可能となると言われている(さすがに人命に関わることは実現が遅いかも知れない)。工場のIoTではあらゆるモノがネットワークで接続されるため、同時に接続できる端末数が多いことが求められるが、接続機器数100万台/平方`b(現行4Gの30〜40倍)を実現すると言われる5Gの登場により現実味が増す。

そんな5Gだが、関連する特許出願数では中国が30%以上と世界の3分の1を占めた。4Gでは欧州勢が覇権を握ったが、5Gではアジア勢が存在感を示している。特許は端末の構成部品、基地局、自動運転車の技術などであり、当然だがライバル企業の技術を使用するとロイヤルティが発生する分不利だ。

総務省が発表した資料では酒造産業における技術実証が報告された。まず契約農家が▽画像、動画による遠隔水田監視を通じた生産工程の省力化▽高度化・ドローンによる生育状況把握による施肥の最適化▽最大収量となる刈取タイミングの判断といった中長期的な工程の自動化に向けたデータ蓄積―を行い、酒米を供給する。供給を受けた酒造会社は醸造所内で▽画像、4K動画、温度センサーによる醸造工程の遠隔管理▽職人の知見の形式知化―を行い生産。そしてセンサー付きの箱に入れた酒を輸送。配送トラック〜販売所では▽温度管理が厳しく広域販売の難しい生酒のコールドチェーントレーサビリティを確立。温度と場所を監視し、低温を維持して販売店まで輸送▽RFIDによるトレーサビリティ監視、商品の品質保証―を行うというもの。これらをねじ流通網に置き換えてみても面白い。

2019/08/05 金属産業新聞