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恒例イベントはマンネリとの戦い

本紙の特集の通り、6月21日から3日間、東京ビッグサイトで「機械要素技術展(日本ものづくりワールド)」が開催される。今回で21回目となるが、何度も出展しているベテランもあれば、初出展の新人、何年か前までは出展していたがブランクを経て再び出展する復帰組、さらに他の開催地では出展していたが東京としては初の東京進出組―と、長い歴史がある分出展者も事情は様々だ。

時評子も特集用に取材して回っていたが、対象企業に取材前に「あまり変わり映えしないのだけれど」と前もって言われる事もあり、毎年開催だと急には新製品・新技術等の事業展開に大きな変化は難しいと思わされる。しかしたまに、前述の意味合いでの言葉が無く「いつも通り」という返答を聞くと、とりあえず出展≠オている―と感じてしまう事もある。

確かにねじ・ばね等の機械要素において毎年、新技術を求めるのは難しいかもしれないが、アピールする側(出展企業)も情報収集する側(来場者)も、開催地近辺だけなく全国、さらに海外から、貴重な時間・体力・交通費等をかけて集まって今後の事業・活動に役立てる―。イベントとはそういうものであり、開催するからには、出展者・来場者・そして主催者や関連する方々にとって有意義なものであってほしい。

イベントにおいて重要な点である関心度の高さ(求心力)は、規模を維持してなるべく同じ時期・同じ会場で定期的に開催する恒例と、前回とは違う展示内容の目新しさだが、恒例となればなる程目新しさが出しづらくマンネリとなり、求心力が失われかねない。

そう考えると2020年の東京オリンピック開催の影響で、前年4月から東京ビッグサイトはメディアセンターとして使用され、段階的に利用制約による展示会の規模縮小や開催見送りが始まる予定の件は、どんな事にも云えるかもしれないが恒例は「いつも通り、開催するのが当たり前」ではなく、諸般の事情で恒例でなくなる可能性もある―と教えてくれている。

もし恒例のイベントが1回もしくは2回、規模縮小どころか開催見送りとなったら…開催再開できたとしても、イベントの求心力は以前通りとなるのだろうか?「いつも通り」の変わり映えしないイベントを再開したところで「無くても大丈夫」「業務・事業に支障はない」と思われるおそれは高い。

難しい事だが、恒例として定期的に開催される安心感、そして目新しさを両立し続ける事がイベントの意義であり、これは出展者・来場者・主催者をはじめイベントに関わる全ての者が努力していかなければならないのだろう。

2017/06/12 金属産業新聞